塚本邦愛
樹の中で見えるもの
樹は、嵐に出会った時、はたして嘆いているのだろうか。
苦しんでいるのか。楽しんでいるのか。
いずれにせよ、ありのままに樹木それぞれの姿で、逞しく生きている。
何があろうと大地に根をはり、天に向かってそびえ立つ。力強い生命力がそこにはある。
かくも力強い生命力に出会った時、感動し喜びを覚えるのは、
きっとそれが自分の中にもある事を感じさせてくれるからだろう。
ありのままに生き抜いている大樹の姿は、形はどうであれ、やはり美しいと思う。
私もかくありたい、という思いで絵を描いています。
2002年6月
塚本邦愛
塚本邦愛
画家
福岡大学 法学部卒業。
会社勤務後、服飾専門学校に通い、舞台衣装を制作する。
1991年渡仏、油絵の制作を開始する。
1994年グループ展参加、95、97、98年、福岡のギャラリー山岡屋にて個展。
2001年Salon de Choisy-le-roi サロン参加。
現在、フランスにおいて、「樹」をテーマに、自分の内面世界の表現に挑戦。