市民講師として臨む

2014/12/02 Tuesday 08:30 | Thinking

DSC00260講義室
DSC00263自己紹介

先週、シルバー人材センターの仕事で共立女子大学看護学部の市民講師とし臨みました。偶然にも私は中学、高校は共立を卒業していたのでお話があった時、嬉しい気持ちと自分に出来るのかと迷いがありました。後日、センターで北川公子教授との面会時に講義の目的などを詳しく説明して下さいました。

それは、一年生対象の「高齢者看護学概論」という科目の授業でした。
講義のテーマは、「自分らしく、人生を生きる」で、教授は「近年、祖父母との同居の経験を持つ学生さんたちは少なく、高齢者の方々の理解や対応に少しでも役立たせようという目的で高齢者の方と直接お話を聞き質問をして高齢者の理解を深めよう」という趣旨を説明して下さいました。高齢者の一人としてお役に立てれば嬉しいと思い是非やってみようとお受けしました。
教授には打ち合わせ時に自分を紹介した簡単なプロフィールをお渡ししまた。

この仕事のお話を頂いてから、私は自分の歩んで来た人生についてじっくり考えました。幼少・中・高・大学の頃の自分やその環境。どのような環境でも成長して行く自分を思い出し、数知れない思い出が走馬灯のように浮かび出されました。第二の故郷のエジプトでの生活。そこで私は大人になり精神的にも成熟した人間になれた重要な期間でした。これらの自分の小さな歴史を年代順に書き出しておき、自分の成長や人生に欠かせなかった重要な時期や要点を書き記しておきました。私は、自分らしく現在まで生きて来たことが伝えられるように今日まで歩んで来た人生を振り返る日々を過ごしました。

当日、講義室に入り、教授が準備していらっしゃる間、私は、素敵で可愛い大学一年生を前に私の心は複雑な気持ちで揺れていましたが一番前に座っていた学生さんと目が合い笑顔で会釈してくれたので徐々に落ち着いて行きました。学生さんたちは、私の学生の頃とは雰囲気、服装、言葉など大きく変化していました。それも当然、私は学生さんたちの祖父母の年代に当たるわけですから。

教授はまず、大勢の学生さんに私の紹介と同時に私の第二の故郷であるエジプトについての概略をスクリーンで説明されました。(写真)それにはとても感動しました。さらにスクリーンで私のブログも紹介して下さいました。その後に私は自分を紹介して(写真)から壇上で教授の隣に座りました。(写真)

講義は北川教授と対話式で始まり教授が話の流れや時間配分をしてくださったので不安無く臨むことができました。

講義の前半は、幼少期から高校・大学そして卒業後、仕事・結婚まで自分の過ごして来た生き方。
後半は、エジプトからフランスに移りその後日本への帰国を経て現在までの生き方。続いて、これまでの人生を振り返って、と学生さんへのメッセージでした。教授との対話形式でしたので、人生の変わり目、重要なそれぞれの過程をピンポイントで教授が振ってくれましたので話はスムーズに進行していきました。

教授が前もって学生さんたちからの質問をまとめておいてくださったので話して行く過程でその内容に合う質問にお答えして行くという形でした。
DSC00273

学生さんからの質問には、

  • 「大学は教育学部なのに教育の道に進まなかったのはなぜ」
  • 「なぜ、酪農の仕事?」
  • 「エジプトと日本の違いで最も驚いたこと」
  • 「何故、エジプトからフランスへ」
  • 「老化を感じたのはどんなこと」
  • 「エジプトの経験が現在どのようにいかされているか」
  • 「今の生きがい」
  • 「一番辛かった事、幸せだったこと」
  • 「今後の生活で不安に思っていること」
  • 「留学したり、海外で働く為に今、やっておくべきこととは」
  • 「これだけは学生時代にやっておいたほうがいい、と思う事」
  • 「多くの仕事の経験をして良かったこと」
  • 「エジプトのお薦め料理は」
  • 「海外と日本での高齢者にたいする制度の違いで印象深いもの」

等々……がありました。
胸にキュンとくる質問や、和ませてくれる質問など様々でした。きちんとした答えになっていたかどうかが後で不安になりました。

そして、終盤で、私は、「人生を振りかえって自分らしい人生を生きて来ました」と言えたことが本当に嬉しく思いました。辛いことより楽しいことが断然多かったことも。どんな経験も絶対に無駄にならず次のステップに繋がり、積み重ねで人生を歩み今の自分があると… そして、気がついたらもうこんな歳!

今は、夢は若い家族に託して、家族や友人を大切にして健康な日々が持続出来るよう生きていきたいと言う気持ちが伝わっていれば嬉しいと思います。
教授のスムーズな進行と私の話の補足などしていただき無事終了に近づいてきました。今日の話が少しでも学生さんに理解され、高齢者の中の一人の生き方として捉えてもらえれば幸いです。

講義最後に、数人の学生さんの感想の中で「これからしっかり目標や目的をもって生きていこうと思う」という言葉が胸に残っています。
看護を学ぶ学生さんの将来の活躍を祈っています。看護は人間の奥深いところまで入り込む献身的でかつ強靭な精神を必要とする仕事です。ナイチンゲールさんの業績をみても分かるように、心に触れ、一言で人を救うことも出来るかもしれません。学生さんを心より応援したい気持ちになりました。素敵な学生さんとの貴重な交流の90分間でした。ありがとうございました!

北川教授、田中準教授ありがとうございました。
教授に見送りまでしていただきました。(写真)心より感謝です。

DSC00276

Link : http://www.kyoritsu-wu.ac.jp






おすすめの記事