この一年

2016/12/29 (��) 16:48 | Thinking

Ginza

Ginza


もう12月もあと数日で終わりだ。毎年この時期になると何と時が早く過ぎていくのだろう!…と身にしみて感じる。
一年一年と年齢を重ねていく。親戚の子供たちは一年一年と成長してあと5年もしたら立派な少年、少女だ。こんなことをを思いながらこの一年を振り返ってみた。

この一年の前半は、家族にとって心配が耐えなかった。まずは、妹の病気が再発を繰り返した。治療方法が困難になってきた。まだできる治療方法がないかといろいろ調べあげて医者の意見も参考にしてようやく行き着いた治療は免疫治療その治療の準備に一ヶ月位かけてそれから治療が始まった。治療に数ヶ月かかり8月末に終了した。治療といっても三週間に一度通院する。現在は安定した状態が続いているのでそのままでいて欲しいと願うばかりだ。その後肺炎を起こしてしまって入院したがその原因が健康補助食品アレルギーとわかった時は家族みんなで胸をなで下ろした。健康志向を助長して世間に出回っている健康食品には細心の注意を払わなければと肝に銘じた。

Nagano Azumino

Nagano Azumino

8月の長野県の松本市と安曇野市の一人旅は、それまでの心配事や体の疲れを一気に吹っ飛ばしてくれた。自然に囲まれた美術館やコンサートホール、穏やかな時間をを楽しんだ。時間がゆったりと流れる。美味しい名物を食べて元気を取り戻した。安曇野市ではいくつもの美術館を訪ねた。好きだったのはジャン・ジャンセン美術館。ジャンセンはアルメニア人だがフランスで学び画家として活動していた。寂しけな絵画が多かった。そしてこの美術館が世界で初めてのジャンセン専門美術館として知られている。
小さな非日常的時間を過ごすことができた。長野県には四季を通して美しい地域がたくさんある。学生時代からスキー、登山、ハイキングと何度旅行をしたことだろう。今度は家族旅行をしよう。

9月以降は家族の誕生日が重なり、皆んなで買い物に出かけたり食事を楽しむ数日があった。姪の息子の二人、会うたびに背が高くなり話すことにも成長を感じてる。頼もしい。二人ともサッカークラブに入り頑張っているようだ。学校生活も順調のようで嬉しい。先日も電話で上の子にサッカーの試合でMVPをもっらたことを褒めたら恥ずかしそうにありがとうと言っていた。

学生時代の親友と時々会って美術館や映画館などに行くが今回は下町散策をしようと日暮里駅で待ち合わせ。
彫刻美術館や下町情緒たっぷりの小径を散策。軒並みにお寺さんがあるのには驚いた。お寺さんは祭りの準備で大忙しの様子だった。境内にはいろいろな種類の菊の花が飾られいてきれいだった。
谷中周辺から上野公園までの道のりは散策に適していた。道路がよく整備されているようだ。小綺麗なブティックや今時のカフェ、レトロの雰囲気を醸し出している喫茶店も数軒あった。
上野公園に着いた時は思った以上に長い時間歩いてしまったので足が痛くなりなんだか足腰が弱くなっているのを実感してしまった。まあ仕方ない!と呟きながら西洋美術館や国際こども図書館などを見学しその中庭にあるテラスでゆっくりお茶をした。

海外からは15年前からの友人やその家族が一時帰国した。一緒に食事やお茶をする楽しい日があった。その友人達から懐かしい思い出のある国の話を聞けるのは嬉しい。夏に毎年定期的に一時帰国するSさんは海外でよく頑張っている。目的を持って生きている彼女はいくつになっても生き生きしている。
カイロからも亡き夫の親戚の方が出張で訪日。食事しながら昔話しに花が咲いた。懐かしさが込み上げてくる数時間だった。

今年で3度目の共立女子大看護学部での市民講師の役目も果たせた。今年のが今までの中で一番良かった気がした。教授が進行方法に少し「変化を加えた事で学生さんたちが活発になったせいかもしれませんね」と教授のコメント。次回を楽しみにしてそれまで健康でいたいと思う。
自分史を公開してそれについていろいろな角度で見ていくのは自分をよりよくし知ることになった。過去の記憶がよみがえり複雑な思いを抱いたり懐かしさに胸が熱くなることもあった。もともと私は自分を客観的に見ることができていたと思っていたが第三者の目からの貴重な意見を聞いたり、質問されて説明する中で新たな気づきや自分をさらに奥深く観察することができたのは良かった。世代の離れている学生さんたちの意見はその時代を反映しているな〜とつくづく思った。100人を超える若い世代の思いや考え方を知ることができるこの絶好の機会を嬉しく思わずにはいられない!

12月に入り突然弟夫婦が出張で来た。弟夫婦は今年最後の日本でのお寿司だと喜び美味い、美味いと繰り返し存分に食べて満足気だった。三人のおしゃべりはお店が閉店しても続いた。毎回、風のようにやって来て風のように去る弟だ。アメリカの生活もかなり充実しているようだ。恵まれた環境で研究できることに手応えと遣り甲斐を感じているのが伝わってくる。

Amae no kouzou

Amae no kouzou

大いに読書を楽しんだ年でもあった。文学賞作品、平野啓一郎氏、カズオ・イシグロ、ジョン・アーヴィング、ダン・ブラウン…の小説だ。そして、あたかも今年を締めくくるのにふさわしいと思える土居健郎著「甘えの構造」との出会い。日本人の心理の特異性や文化の型、人間の行動などについて長年の研究をもとに書かれている。私は海外で暮らしている時、現地の人や他の国の人とのコミュニケーションの中で理解できなかった経験もあるし、異文化での習慣や行動に共感を覚えて興味を持った。その一方違和感覚えたことも多々あった。でも振り返ってみると自分のいる環境と周囲の人たちと上手く解け合って仕事も順調だったし自身の生活も十分に楽しいものだった。
やがて日本に帰国した。日本の習慣や言葉のやり取りから遠ざかっていた私は最初の頃はコミュニケーションにおいて戸惑ったり、心地の悪い経験をしたりした。なぜだろうと疑問に思っていたことがこの本が少しずつ解明してくれた。あゝ〜もっと早い時期にこの本に出会えていたらな〜と思ってしまった。この本で改めて日本人の個人と集団においての心理の特異性を学んだ。精神医学学者の著者は、内と外、義理人情世界、恩、遠慮……の社会的習慣など興味あるテーマが分かりやすく分析されている。今になって新たに日本人の心理の特異性を知ることはとても新鮮に思えた。これからさらに円満に家族や周囲の人たちと良い関係を築く助けになるだろう。

そしてこの一年を振り返ると嫌なこと、心配や不安もあったがそれでも家族全員から見ると良い事のほうが沢山あった気がする。心から感謝だ!困難のない生活なんてあるわけがないのだから。すべてを受け入れて生きていかなくては….

Etegami

Etegami

12月中旬の好機に小学校の担任の先生から素敵な3枚の絵手紙が届いた。
先生は90歳。幾つもの大病をしているのにもかかわらずお元気に人の為に尽くしている。一人で東京へ出てこられのも周りの人たちに助けられたお陰で感謝の気持ちでいっぱいだといつもおしゃっていた。先生の絵手紙にはぎっしりと文章が盛り込まれている。暖かい先生の気持ちが伝わってホットさせてくれる。私にとって先生はいつまでも人生の先生なんだ…。

さあ!新しい気持ちでヨッシャーといこう!!!