挨拶

2009/04/05 (��) 00:08 | Le Pont

lepont1-editorial
私達ひとりひとりの内部には、みなそれぞれの光があると思います。希望の光、才能の光、経験の光、やさしさの光など、それら様々な光の有り方は、私がたびたび飛行機の窓から見る夜の街に輝くたくさんの家々に点る光に似ています。それぞれ小さいけれども、強かったり、深かったり、または鋭かったりするそれらの光の数々は、別々にいつもひとつずつ輝いています。パリの街の左岸から右岸へかかる橋のように、または谷間や海峡にかかる橋のように、それらの光の数々の間に、橋をかけてつなげられないだろうかと考えてみました。別々に輝くひとりひとりの光が結びつき、お互いの光のあり方を認め合い、同時にもっと輝きがともに増すために、私は光と光の間のかけ橋となる場面を文化交流というかたちで実現できるのではないかと、このたび協会を設立しました。

フランスと日本両国の文化、芸術や習慣などにいろいろな角度から触れながら、よりよく生きようとする人々が、めまぐるしく発展、変貌する今の時代に流されず、できる限りの可能性を見い出してゆけるための交流、それをかけ橋と築いてゆくことがこの協会の基本的な役目です。芸術的首都のひとつであるこのパリにおいて、秘められた若い才能を発掘、支援し、また経験と感性に基づく専門的知識の研究、発表などを後援してゆく中で、様々な種類の人々が年令や国籍を越えた文化的刺激を分かち合えるだろうと考えています。

3ヶ月に1回刊行することになったこの会報は、多くの人々が日常の中での楽しみや夢の拡がり、知的、感性的交流として受け取っていただけるように、単色でも光りの灯る個人的見解やエッセイ、またはすでに多色に彩られて輝く文章世界などの発表の場として企画、編集してゆくものです。

この会報をもとに、たくさんの希望や可能性に支えられた豊かな交流が、離れていても輝く、遠くても暖かい、そして違っていても身近なものとして、より開かれて長く続いてゆくことを心より願っています。