Le Pont

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スパイス

2004/10/17 (��) 07:44 | Le Pont

バジル、オレガノ、コリアンダ一。
シナモン、パプリカ、ガラムマサラ…
世界中に数え切れないほど存在するスパイスは、隠し昧、香り付けといった料理の名脇役だ。
スバイスを入れることで、その科理は俄然輝きを放ち、味わい深さを増すというもの。

ご飯なんて、お腹にたまればそれでいい。
だから、味なんてどうでもいい。そんな人もあるいはいるかも知れない。
でも払はそんな味気ない食事なんて嫌だ。
様々なスパイスを使った、様々な味を試したい。辛いのも、甘いのも。
そういった刺激は食事そのものを楽しくしてくれる。

たまには口に合わないスパイスもあるかも知れない。
だけどもそれが味との出会い、食の面白さ。スパイスなしだなんて味気なくて寂しすぎる。
そんな素敵なスパイスたちと私たち、切っても切れないのは、食生活だけのことではない。
そう、まるで人生のよう…

仕事一辺倒の生活?
妻になり、家に釘付け、炊事洗濯だけの生活?
パソコンがあるから友達もいらない、出会いなんて必要ない?
傷つくのが怖いから、自分から冒険なんてしたくない?
平穏、安定、刺激のない人生なんて…

日々の生活に、仕事に埋没していると気付いたとき、
私はこう考える。

いつもの帰り道、一本違う道を通ったら、
今まで知らなかった素敵なレストランを見つけた。
スポーツなんて億劫だったけど、背中を押して走ってみたら、
こんなに体が生き生きと活動するなんて思わなかった。
疲れてるから、休日は家にこもって寝てるだけがいいのだけど、
無理やり遊びに連れていかれたら、一日がこんなに長く充実するなんて忘れてた。

そうだ、そういうことなんだ。
人生って、生活って、自分の気持ち次第でいかようにも味がつくんだ。
ほんの少しの心持ち(それは味付け?)で、ハッピーにも、その逆にも変えられる。

そんなことを知ったら、もう今までの変化のない生活なんて、
味気なくて寂しくて戻れないかも知れない。
もっとドキドキしたい、もっと楽しみたい!
そんな刺激は涙も笑いも運んでくるだろう。
そんな気持ちは自分自身をも輝かせるだろう。

「山椒は小粒でもピリリと辛い」、これは日本のことわざだ。
山椒とは日本でも古くから親しまれてきたスパイス。
先のことわざは、「山椒の実は小さくても、すごく辛い」という意味を、
体が小柄でも頭の働きが鋭い人にたとえる時に使われる。

スパイスの効いた人生を送るには、
自分自身もそれにふさわしい自分でいるべきではないか。
現状の自分で満足するだけではない。
スパイスの効いた私は、それはきっと素敵に映るかもしれない。

だからもう私には、スパイスなしの人生なんて考えられない!

>>>このコーナーでは、毎回、空さんから送られてくるEmailメッセージを掲載したいます。