新井敦夫

2001/02/18 Sunday 21:22 | ARCK-Galerie

滲み展
私は、大学在学時から、裸婦を描き20年を越え、数々の公募展、個展等で常に裸婦を発表してきました。
風景画はここ数年の仕事です。
技法は、テンペラ画と、油彩の混合技法です。
裸婦の持つフォルムの豊かさを感じ、フォルムを感情の現れとして、接眼レンズのような構図と成ります。
顔料(ピグメント)に日本の岩絵具をテンペラに使用。西洋と東洋の融合の形をとっています。

風景においては、現場での制作を第一と考えております。
その地で受ける感覚を大事にしたい。
モンゴルは挿し絵の制作の関係で、繋がりを持ち、二度訪問しました。
遊牧民は明るくたくましく、若さを感じる国です。
フランスで特に紹介したい国です。

クロッキーは、私の大事な生命線です。
10年前から、水彩による着色をしていますが、ここパリに来て、墨を使用しています。
線による形態と、墨による調子の噛み合いを、私の最大のセールスポイントにしたいと考えています。
また、このクロッキーのポイントを、タブローで活かせたらと、現在、パリのアトリエで制作しています。
今回の滲みは、そんな制作からでたタイトルです。
東洋の滲みの技法を、西洋絵画で活かしたい。
また、文化的にも共存、協調したい願いからです。

線は竹ペンで描き、融通はきかないのですが素朴なラインが出ます。
ラインをひいた後、瞬時に筆で水を置いていきます。
ラインの黒墨が置かれた水に吸い込まれるように、見る見る黒く染まっていきます。
この5分の世界は乾燥後どんな形となって生まれてくるのか想像がつきません。
しかしその5分に全てを捧げています。

新井淳夫
画家
1959年生 長野県出身
独立展等の団体展から、1993年より個展中心に発表形態を変更。
以後、年1~2回のペースで開催
テンペラ画と水彩画中心






おすすめの記事