バンジャマン・ブタン

2004/10/17 (��) 09:24 | Le Pont, Passion

マルセル・プルーストによるバンジャマン・ブタン 仮想インタビュー

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マルセル・プルースト(以下MP): バンジャマン・ブタンさん、君は34歳ですね。1998年から絵を描いていて、独学で絵を学んだとお考えのようですが。

バンジャマン・ブタン(以下BB): ええ、マルセルさん、私はずっと前からデッサンに情熱を燃やしています。10歳の時には、風刺画や漫画をずいぶん描きました。今、私は芸術家として生きていますが、私の絵に深い関心を示してくださる人たちがいます。パリの美術学校では、いくつかの授業をとりましたけど、あらゆる時代の、あらゆる文化圏の絵を観ながら一人で勉強した独学者であることに誇りを持っています。自分の感動を整理して、キャンバスや紙に 表現することを学びました。技術というのはあくまでも補助的なもので、技術で感動を表現することは出来ません。感動は心で表現するものです。私の絵はヨーロッパでよく売れています。パリやブリュッセルのギャラリーで定期的に展覧会を開いています。現在、パリのギャラリーARCKと年末に開かれる欧州議会での大規模な展覧会の準備に積極的に取り組んでいるところです。

MP: では、これから君をもっとよく知るために、例の質問事項(プルーストの質問事項)に答えていただくことにしましょう。

MP: 性格について
BB: 創造力があること。

MP: 男性に求めたいこと
BB: やさしさともろさ。

MP: 女性に求めたいこと
BB: 強い性格と自信。未だによく解らないのは、男性は強く、女性は必然的に弱くなければならないというような社会の固定観念です。

MP: 親友の最高の良さ
BB: 称賛の念を抱かせてくれること。

MP: 主な欠点
BB: つつましさが全然ないこと。

MP: 好きなことやってみたいこと
BB: 愛することと楽しむこと。

ちょうど今、高さ10メートルの金属製の彫像を準備しています。上部に雌牛を配したエッフェル塔を十字架に見立て、そこにサッカー選手、ジダンの彫像を礫にするものです。人気スターを消費の対象とする新しい宗教を皮肉ったわけですが、今、あらゆる分野で多くのスターを育てようとしています。これは消費社会への依存度を高めようとするものです。このシステムを後悔するわけではありませんが、私たちの幸せはそこにはないということを一人一人に、はっきり意識してもらいたいのです。

MP: 実現させたい夢
BB: 何も考えないことと人生の一瞬一瞬を楽しく過ごすこと。

MP: 最大の不幸
BB: 両親を知らなかったということと「あなたの絵は暖炉の上に置くとよく映える」と言われること。

MP: なってみたい人物
BB: 自分

MP: 住みたい国
BB: ヨーロッパ ! 欧州の一つ一つの国はなくなり、各国はヨーロッパの地方になります。この方がいいと思います。国家間よりも地方間の戦争は少ないですからね。

MP: 好きな色
BB: 美というのは色彩にあるのではなく、その調和にあると思います。

MP: 好きな小説家
BB: ミシマ。絶望感を感じるロマンチスムがいい。

MP: 好きな詩人
BB: 語呂合わせの上手なゲンスブール。

MP: 好きなフィクションの主人公
BB: ブリュス・リー。肉体と精神が調和している典型的人物だから。彼が敵と対決する前から、精神で敵を打ち負かしているような感じがします。

MP: 好きな作曲家
BB: 同じぐらい好きな作曲家が二人います。ヴェルディとジョン・レノン。よくオペラを聴いた後、レノンかビートルズのレコードを聴きます。これで私の一日が終わってしまいます。

MP: 好きな画家
BB: 構図の点ではザオ・ウーキとスラージュ。率直さの点ではミロとバスキア。

MP: 好きな名前
BB: アンディ、サルバドール、パブロ !

MP: 嫌いなもの人
BB: 確信している人。人生の様々なことに対する永遠の不確かさを表現するために、私はいつも自分の作品に無秩序な印象を与えようと試みています。

MP: 最も軽蔑する歴史上の人物
BB: ユダ。でも、本当に実在した人物なのでしょうか ?

MP: 最も感心する軍事的出来事
BB: パリにある事務所で展開した私の兵役。戦争を避けるためには、軍人を事務所に入れるに越したことはありません。

MP: ほしいと思う生まれつきの才能
BB: モーツアルトが4歳の時に授かった才能。ちょっとしたひらめきと、特に限りないエネルギー。

MP: どのように死にたいか
BB: 健康で。

MP: 寛大になれる過ち
BB: 自分が犯すかもしれない過ち。

MP: 最後に、モットー
BB: 幸せや成功がいつ手に入るかわかりません。それが明日、全ての人の手に…。 それを望みさえすればいいのです。でも、これはなんという大変な仕事なのでしょう !