伊勢神宮
六月の初めに伊勢神宮へ行った。再度の参拝だが、今回は初めて参拝する妹の案内をすることになった。高倉山麓の山田原に広がる壮大な森に覆われている神宮は何度行っても心休まるところだと強く感じた。
つゆ前の最後の晴天に恵まれたようだ。地元の人たちもこんなに良い天気は珍しいと言っていた。暑くも寒くもなく日が照りそよ風が吹き快適な二日間だった。
最初の日は、「食」を司る外宮は表参道の火除橋から入り手水舎へ。二つの鳥居を過ぎて正宮へ。参道には樹木が覆い繁り木漏れ日の下を歩くのは気持ちがいい。参拝者は多くなくどうして少ないのかちょっと気になったほどだ。おかげで妹には好都合で慌てずゆっくりゆっくりと玉砂利の参道を歩いた。正宮で参拝してから幾つかの宮を経て五丈殿、入母屋造りの神楽殿と続く。神楽殿ではお守りを求めたり御朱印を受けた。ホテルに戻る道は参道のようになっていて両側にはお土産屋さん、食べ物屋さんがずらりと並んでいる。途中でお茶を飲みながら何と静かな平和なところだろうと思わずにはいられなかった。
二日目は伊勢市駅前からバスで内宮へ。バスには観光客はそれほど乗っていなかった。地元の学生や仕事に出かける人たちばかりだった。ここに有名な皇学館大学がある。ここで学んだ学生たちは伊勢神宮や他の神社で働くと聞いた。
内宮は五十鈴川に架かっている総櫓造りの反橋宇治橋を渡る。五十鈴川の景観が眺められる。もうこの時から身が引き締まる。手水舎に寄ってからまた五十鈴川の御手洗場による。川の底には美しい大小の石が敷かれている。太陽の光を浴びてキラキラ光るように見える水や石が綺麗だ。水は冷たく気持ちいい。
一の鳥居、二の鳥居を通り神域に入ることとはこういう気持ちなのかなぁと思った。
正宮で参拝してから神楽殿へ。お守りと御朱印を受けてから御祈祷の申し込みをした。私たち二人にとって初めて経験することだった。受付で御祈祷の説明や手続きを済ませ、七、八分後に神楽殿の中の祈祷殿に入るよう促された。
畳敷きの広い部屋に一段高くなっている舞台があり質素な飾りと正面にお供え物を置く棚のようなものがある。その横は祈祷師である神官さんが祈る神棚が揃えてある。
巫女さんは正面左側に座り、神官さんが声高に祈祷している間に何回か私たちに礼をすることを促したりお供え物を置きに行ったり戻したりしていた。私は神官さんの祈りの言葉を理解しようと耳を澄ましながら興味深く見守った。15分もすると祈りは終わった。神官さんと巫女さんは私たちに杯のようなものに聖水とみなす飲み物を注ぎ口をつけるように告げた。そして最後に神官さんからのお言葉をいただきお札とお供え物のお塩、神饌(この袋の中には、お米、昆布、スルメが入れられていた)を受け取り祈祷式は終了した。17、8分間だった。
初めての祈祷式、自然に感謝して神を敬うってこういう今の自分の気持ちかな〜と思ったりもした。妹も満足気に嬉しそうだった。感慨深い体験だったね〜と。案内した甲斐があってよかた!
内宮を後にして門前町のおはらい町、おかげ横丁を散策した。ここでお昼は伊勢うどんを食べたタレをかけて食べる麺は実に美味しい。このおはらい町でかなりの時間を費やした。様々な特産品土産屋、伊勢木綿、お香、お茶屋さんなど好きなものがいっぱいだ。昔の門前町のようにお店の外観は古い建物に見えるように造られている。土産屋さんを見て回るのが大好きだ。
人出も多くなく混み合う感じではなかったし店員さんは皆親切だった。
通りの中間から見える五十鈴川は美しかった。
空気は新鮮そのもので、非日常的な経験も有意義だった。祈りと美味の市と言われるだけあって食事は美味しかった。夜の懐石料理は松坂牛に伊勢海老と。朝、夕の食事のご飯はいつも釜で炊きたての白米や混ぜご飯が出た。三重県産のコシヒカリこれも実に美味しかった。
晴天下の雄大な自然と美味な食事を満喫できた数日に感謝。。。