協会が設立してから5年が過ぎようとしている。設立当時にかかげた目標をLe Pontの創刊号の中で述べた。「秘められた若い才能を発掘、支援し、また感性に基づく専門的知識の研究、発表などを後援してゆく中で、様々な種類の人々が年令や国籍を越えた文化的刺激を分かちあえるだろうと考えています」と。 展覧会に関しては、その目標を常に頭に入れ、渾身こめて働いた甲斐があって2005年6月までにフランス、日本、イギリス、メキシコの画家たちや将来の画家を目指し学び描きつづける新人たちとの23回の個展を開催することができた。この芸術家たちにとって各々の目標に向う段階の貴重な経験に貢献できていたら嬉しく思う。Le Pontに関しては、フランス人によるエッセイ、日本から寄せられたエッセイ、小論文などが調和よく交ざり、読んで、見て楽しい本造りが出来てきたことを誇りに思っている。 Le Pont 6号にては日本から寄せられた多くの作品を掲載したが次7号はフランス人の作品で彩りたい。 私自身といえば、個展やLe Pont発行の回を重ねるごとに、またいろいろな手順を踏んでいく中で、多くの人や物事に出会う時にはおのずと交流の意義やその深さを覚えた。その経験はその時だけの満足や感懐にとどまらずいつの時にも自分を磨きあげていくブラシのような役割にもなったし、この間どれだけ多くの好い思いや苦い思いをしただろうか。2005年9月より12月まで5回の展覧会が行われる。12月の今年最後の展覧会は初めて企画した日仏人の5人のグループ展を予定している。5年目を終わるのに相応しいグループ展であることを祈っている。これからも、5年間の経験を生かし多くの方々と共に個展やLe Pontを通じて価値ある交流が行き交う場を築き上げていきたいと願っている。