Aegean and Adriatic Seas Cruise from Venice by Etsuko Hayashi

2009/11/29 Sunday 04:11 | Friends

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母が3年ぶりでパリの娘のところに遊びに来くることになり、今年は77歳喜寿のお祝いでもあり、どこか思い出にのこる旅に連れて行こうとあれこれ探していたら、ヴェニスからのクルーズがプロモーションで50%OFFをサイトで見け、迷うことなく申し込んだ。足の調子が悪い母にはクルーズは理想的。移動が楽で、寄港地でもゆっくり自分のペースで散策ができ、下船したくなければ、船に残っている人のためにいろいろなイベントが用意されている。

とゆうわけで、以下今回のヴェニスからのコスタビクトリアで行くエーゲ海、アドリア海クルーズのレポートをお送りします。

No.1 サンマルコ広場のキャフェテラスにて No.2 ベニス

2009年10月16日(金)

パリよりイージージェットにて、早朝ヴェニス空港着、バスにてローマ広場へ向かう。とりあえずホテルへ荷物を預けるために船上バスにのった。後でわかったことだが歩いてもすぐのところであったのを、船上バスで大回りをしたようだ。ともかくホテルに荷物を預けいざサンマルコ広場へ!!真っ青な青空!!サンマルコ広場のキャフェでお茶をしようと黄色いイスの並んだテラスに陣取るとギャルソンがメニューを持って来てくれた、突然目に入ったのが生演奏中一人5.5€の追加料金!!まあいいか!ヴェニスだもんね。母がアイスクリームを注文、私はキャフェ(母のアイスクリームを半分食べるつもりで)太陽がさんさんとあたり、生演奏を聞きながらサンマルコ広場で食べるアイスクリームは極上。しかし、シーズンオフとはいえ、目の前をたくさんの観光客がひっきりなしに通り過ぎる。(写真1)

ほとんど3時間近くも日光浴して高いアイスクリームのもとをとっておもむろに 迷路のような細い道にびっちりおみやげやの並んだ道をぶらぶら散策,どこを見ても 絵になるまちだ。しかし人があふれている !  (写真2)

早めにホテルに戻り昼寝。 夕食は近くで私はイカスミスパゲッティーとイカのリング揚げ、母は海鮮スパゲティーとサラダ。まあまあのお味であった。

 No.3 ベニスの朝市No.4 夕暮れのヴェニスを後に出港

2009年10月17日(土)

ホテルをチェックアウトして荷物を預け、船上バスで来るときに見えた朝市へ行ってみることにした。(写真3)お魚が新鮮で安い!!特にイカがおいしそう。パリではなかなか見られないおいしそうなイカが安いことに感動していたら、母は((日本でもイカは新鮮で安いわよ))と全く感動なし。活気のある朝市を運河沿いに歩いて庶民的なキャフェで軽いランチをして、これがまたビックリするほど安い、サンドイッチとカプチーノ二人分で10€でおつりが来た。因に、昨日のアイスクリ–ムは22€だったのに。

そしていよいよホテルに荷物をピックアップして港へ向かう。

いやはや大きな船で全体像が見えない。チェックインをすますとビュッフェスタイルのレストランで食事ができると案内され、あら食事しなければ良かったわねといいながらお茶だけでもと出かけてみると、おいしそうな物がたくさん並んでいるではないか、食い意地のはった親子はとうとう二度目の昼食をしてしまった。先が思いやられる。

船室はコンパクトで機能的にできている。収納場所は十分あってベッドも広くて寝心地もいいし、清潔感もあり合格。それでは船の見学に出かけようとまずは最上階のデッキへ。すごい!!そこからは階下にプール、ジャグジー、プールサイドには デッキチェアーがずらりと並び、バカンス気分が盛り上がる。 その他室内プール、サウナ、ジム、バー、レストラン、そしてイベント用の大きな劇場、レセプション、ロビー、迷子になりそう。 そうこうしてるうちに船はヴェニスを出港、デッキにでてみると、ゆったりと夕暮れのヴェにニスにそって移動している。なんとまあ映画の一こまのようなロマンチックなことよ。(写真4)

夕食の時間になり、レストランへ、名前を告げるとテーブルはすでに決まっていて窓際の2人用のテーブルに案内され、係の人が愛想よく挨拶に来た。 メニューは前菜3種、スープ、パスタ、及びリゾット、メイン3種、デザート3種から選ぶ。内容は毎日変わるので飽きることなくバラエティーに富んでいる。味も盛りつけもなかなかでイタリアンなので日本人の口に合い、かなり高い満足度であった。

そして、食後はバラエティーショウを楽しみ。明日に備えて早めの就寝。

No.5 アンコナの丘の教会から。コスタヴィクトリア全景No.6 サントリニテ海にせり出したキャフェにて

10月18日(日)

早朝、南イタリアは、アンコナに到着、ゆっくり朝食後ぶらぶら下船、生憎日曜でどこも閉まっていたが、旧市街をぶらぶらして、タクシーで山の上のカテドラルへ行ってみた。ロマネスク建築の素朴だがすばらしい教会だった。教会から港が見下ろせ、そこに、我々のコスタビクトリアが優雅な佇まいを見せていた。(写真5) はじめて見る船の全体像に感激をして何枚も写真をとってしまった。 帰りはぶらぶら歩いて港まで下り、早めに船に戻り、ブッフェで食事をして、デッキに陣取り、日光欲をしながら昼寝としゃれ込んだ。

10月19日(月)

今日は1日船の中。明朝のサントリニテ島まで一気に移動とゆうことで、朝寝をして、おもむろに、サウナへ。昼寝をしたり、泳いだりと極楽、極楽。

今日の夕食はフォーマルのドレスコードと言うことで早めに部屋に戻り念入りに準備開始!ところが今まで全く揺れを感じなかったのに、にわかに揺れ始め少し気持ち悪くなって来た、母は大丈夫らしいのだが、私は、もうフォーマルディナーなんてどうでもいいやとゆう気分になって来た。これでは今日のハイライトが台無しになってしまう、ヤバイとレセプションで薬をもらい少し横になって寝てみたら、揺れはまだ続いているのにけろっとしてしまった。すごい薬の威力である。

レストランに行ってみると、かなり気合いを入れて着飾っている人もいれば、ジーンズの人もいるで、かなりのばらつきがあったが、インターナショナルで、ありとあらゆる言葉が飛び交い、それぞれに着飾った人たちの中でのディナーはちょっといい気分で、楽しかった。食後のショウタイムも皆着飾っているので、何やら華やいだゴージャスなひとときを過ごした。

10月20日(火)

早朝、サントリニテ島に到着、桟橋に直接接岸ができないので、順番にちいさな船で上陸する、そこは断崖絶壁のちいさな港でそこから上のフィラの町へはロバか、歩くか、リフトに乗る。私たちはリフトで一気に上った、おりたところの景色は絶景かな!! エーゲ海に浮かぶ島島と何ともいえない海のブルーが水平線まで続いている。もう、感動の一枚の絵として私の目に焼きついてはなれない。 迷路のような細い道にお土産屋さんが並ぶ。

海に突き出したようなテラスのキャフェで、カプチーノを飲みながら、またこの神秘的な海の景色に魅せられ、空に自分が浮かんでいるような錯覚にとらわれながら 恍惚として、何時間でもそうしていたかった。この景色を見るために私はこの旅をして来たのじゃないかと思えるほどに感動的だった。(写真6)

そして、後ろ髪を引かれながら船に戻り、ミコノス島へ出港、夕刻ミコノス島着。サントリニテ島の印象があまりにも強烈であったためか私にとってミコノス島はよくある観光地の一つといった印象で、あまり感動はなかった。

No.7 アクロポリスからアテネの町を見下ろす。アルザスから参加のカップルとNo.8 コルフ島の特産物金柑のお酒やジャム

10月21日(水)

早朝ピレスへ到着(アテネの港)。ここが一番の悩みだったのだが、オプショナルツアーで歩き回るには母の足では無理だし、港からアクロポリスまでメトロでは 時間が掛かり過ぎ、タクシーで行くのが一番だが、これがくせ者、うまく交渉しないとボラレルといわれ、どうしたものかと思っていたら、昨日食事のときに知り合った、アルザスから参加の年配のカップルもタクシーでまわるとのこと、それなら一緒に行ってシェアーしようと言うことになった。交渉はムッシューお願いねと前もって頼み。いざタクシー乗り場へ;頼りにしていたムッシューは尻込みして、交渉に入らないではないか、どうしようと思っていたら、足の悪い巨体のマダムが 大きな声で、フランス語できる運転手はいないの!と叫び始めた。後ろの方から順番待ちをしていた運転手が、フランス語ができるといってでて来たとたん、最初の運転手と喧嘩になってしまった。そこへ巨体のマダムがわたしゃフランス語ができない車には乗らないからねとはねつけ、一番待ちの運転手を黙らせ、フランス語の運転手と歩き始めて交渉開始。((あんたいったいいくらにするのさ。ボッタラ承知しないよ。)) ((まあまあ、とりあえず車に乗って!))と運転手は車に乗せようとするものの、マダムは((乗らないよ、値段を言うまで乗らないよ!))最終的に4人で90€でアクロポリスから市内その他の観光を説明付きでまわりおおよそ4時間けんとうで、船まで送ると言うことで交渉成立。

気の弱い旦那はその間一言もなく私たちはあっけにとられてことの成り行きを見守っていた。ウミセンヤマセンのいかついギリシャ男の運転手もこのマダムにかかってはかたなしだった。この交渉劇はアクロポリスより迫力があっっておもしろいスペクタークルで、この旅をより楽しいものにしてくれた。ポレットさんありがとう。(写真7)

10月22日(木)

コルフ島(ギリシャ)早朝着、港からシャトルバスで旧市街まで送迎があり大助かり。ギリシャのタクシーの交渉は、私にはとてもできそうにないから。

この島は温暖な気候で金柑の特産地。金柑のお酒や、ジャムや、砂糖漬けがお土産として至る所に売っている。ここが最後のギリシャとなるし、物価も安いので、俄然ショッピングに力が入り、私はギリシャの古代黒絵の大皿のコピーを買い、金柑の砂糖漬け、金柑のお酒に、レモンのお酒 etc….母はギリシャの景色を刺繍したクッションカバーを何枚か買っていた。そしていつものようにゆっくりお茶をして船にもどることにした。(写真8)

この日はクルーズもあと2日となり、フォーマルドレスコードで今晩のディナーはさよならパーティー。顔なじみになった近くのテーブルの人たち、スタッフの人たちと一緒に楽しい、思い出深いディナーとなった。

No.9 ドブログニック(クロアチア)老壁からの眺め

10月23日(金)

私は密かに今日の寄港地クロワアチアのドブロブニックにかなり期待をしていた。 (魔女の宅急便)のモデルとなった町とかで日本で人気のある観光地のようだが、フランスでもちょっとしたブームでよく話題になっているデスチネーションでもある。(写真9)

やはり港からはシャトルバスがでていて、雨模様ではあったがそれなりに準備をして出かけた。思った通りのかわいらしい町で海に突き出し老壁に囲まれた静かなたたずまいの古いヨーロッパを思わせる何とも言われぬ落ち着きと気品があった。

町の外壁を一周できるようになっていて、上から町を見下ろすと、赤いレンガの家が重なり合って街全体が見下ろすことができる。ここは町全体がユネスコの世界遺産に指定されているそうだが、さすがに良い状態で保存され、古き良き時代の東欧をそのまま満喫できる。ただ、あまりにもきれいでちょっと舞台装置的な感がしないでもない。 メイン通りをちょっと入ったところにヨーロッパ一古い修道院付きの薬局が見学でき、そこでしか買えない修道院で作っているバラの化粧水とバラのクリームがあると聞き、早速テースターで肌につけてみたところ、バラの香りで肌にすーっと入り込んでいく感触が心地よく、セットで購入、締めて20€弱と何ともお安い。

そしてその近くにおじいさんとおばあさんが経営するレースの専門店があり、化繊の質のあまりよくない物もあり、おばあさんが作った、ばばメード、ばばメードと、売り込んでいたけれど、私は麻のしっかりした刺繍のかわいいテーブルクロスを購入、それでも20€で、パリに比べて物価は圧倒的に安い。

大満足でシャトルバスで船に戻ろうと店を出たとたんに雨が降り出し、観光中は幸い雨に降られなくてよかったのだが、シャトルバスに乗るのに待っている間に、ぬれねずみのように、レインコートを通して肌着までびっしょりと濡れて船に戻った。 いよいよ明朝ヴェニス!今日が最後のディナーとなり、顔なじみになった人たちやサービスをしてくれたスタッフの人たちとほっぺにキスをしてお別れの挨拶、キャンドルをともして、別れを惜しんで部屋に戻り、一気に荷作りをして。ばたんキューと寝てしまった。

10月24日(土)
朝、目を覚ますと母はもう身支度を整えていた。今日はもう下船のみなんだから、ゆっくりおりればいいのよといいながら……… はたと思い当たることがあった!!

そうだ、朝日を浴びたヴェニスへの入港も、夕日のヴェニスの出港に勝るとも 劣らない美しさだとどこかに書いてあった。しまった!!母はもうデッキに向かっていた。私も大急ぎで支度をして、あわててデッキにでてみると、もうすでに、サンマルコ広場を通り過ぎ、港に着岸しようとしていた。母は、どうやら朝日のヴェニス入港を堪能したらしく、きれいだったわよ!!ロマンチックで!!と感動している。ああ!私は最後の最後でハイライトをみのがしてしまったらしい。

それでも、港から見える朝のヴェニスは小雨にかすんではいるけれど、十分にロマンチックで美しかった。

林悦子
陶芸家
E-mail: [email protected]
Web site: http://www.parnas.co.jp/hayashi/index.html






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